新川ギャラリー(俳諧館)

新川ギャラリー(狂歌・川柳館)

酒問屋の蔵の連なる街「新川」は、そこでの酒の商いや新川締め、新酒番船といった伝統・行事も含め、江戸風俗として人口に膾炙していました。ここでは江戸の町民たちが親しみを込めて詠んだ川柳・狂歌をご紹介いたします。

-天明老人内匠 編(1856-安政3):狂歌江都名所図会 16編.


【川柳の部】

新川は 上戸の建てた 蔵ばかり

新川の 菰っかぶりは 蔵住ひ

新川へ 来るので お寺名高し

新川と 号し番頭 深い川

新川へ 玉川を割る 安い酒

新川の 手がらは水を あびせられ


【狂歌の部】

百薬の長たる酒のにが口も ふくみほきだす新川の店

新川は下戸の建てる蔵はなし 何れ上戸が目あてなりけり

酒問屋菰かむりや取引も 右も左もみな旦那様

新川のつは者なれや鬼ころし 三星うちし樽の曲持

きき酒もする新川の大問屋 小判の耳も揃う身代

新川に名に負う酒の大関や 呑口も猶つよき剣菱

大川の口より入りし酒樽を 蔵の尻から出す新川